
エムエムエムメイドの帽子を被らずに出かけるということが、もうほとんどない。
頭が肌寒い時、そのへんに転がっているのでスポッと被って仕事している。
それに気づいてハッとする。
体現とは正にこのことだ。やりたかったことが少しづつできているんだなぁと。
アパレルの方法論は追い込み漁みたいでずっと苦手だった。だからこそ検査機関で長く勤務した。
服飾のクリエイター学科を卒業したが、純粋に製造にかかわったのはほんの一瞬だ。
先日読んだタマキニイメ新聞で(偶然頂いた)、「わたしたちの商品のターゲットは、余計なバイアスのかかっていない普通の人」という一文があり、唸った。
擬音でいうと、 ぐぉおおおおおおお!ぬぅおおおおおお!
という感じ。
いつかストールを買おう。イベント出店されていたとき、試しに首にまかせてもらったが、すばらしく良かった。
ファッションはフェティシュなものだけれど、心地よいものは万人に共通なのだ。
(おじーさんおばーさん~赤ちゃんまで、いいとおもうものはじつはおなじ/布団職人小川さんの言葉)
触れていたいとおもう質感は、似ている。すべすべとかふわふわとか。
ものをつくり、使うという実験の被験者として自分がいる。
それを繰り返しつづけるのがクリエイターとしての有り様なんだろうなぁ。
絵を描いているときは「そうやって自分の世界に酔って、仕上げていくんです」と水彩画家の新谷さんが言ってらしたが、
ある程度陶酔したほうが作り手にとっては良いことな気がする。
思い込みが結果を生む。
実感がこもり、体重の載ったものを(もちろん比喩的な意味で)、と強く意識した次第です。